肩こりを放って置いてはいけない理由

ブログ：『肩こりの原因は？』のところで、根本的な原因の一つに【骨格や姿勢】を挙げました。

傾いた建物を例にして、「柱を骨」「壁を筋肉」と考えてみると、建物の柱が傾いて歪むとそれを支える壁には常に負担が掛かり、それが長時間続くとついには壁がひび割れてきます。このように骨格の歪みや姿勢の乱れが、結果的に筋肉に負担が掛かり筋肉がこわばってコリを招きます。

肩こりを放っておくということは、この骨格や姿勢などの構造的な問題もそのままにしておくということです。この歪み・姿勢の問題を放っておくと、肩こり以外にも、様々な問題を引き起こすと言われています。

姿勢がもたらす身体 への影響

パソコンやスマホの普及で、現代はとっても便利になりました。その反面、今までには無かったような悩みを人類は抱えるようになりました。世界の人口の８０％の人が、以前は稀だった姿勢の問題を抱えていると言われています。ある調査によると、２０００年以降に生まれた９７％もの若者が姿勢に問題があるという事実も報告されています。しかし、決して若者だけの問題ではないように思います。

では、姿勢が身体に与える影響は？どんな問題が起こるのでしょうか？

脳は脊髄や神経を通じて、身体の健康に関する情報のやり取りをしたり、各部の調整や調節の役目を担っています。毎秒時速２４０キロという速さの信号を何百万と送っており、８０兆個あると言われている細胞の個々の機能にメッセージを送っています。

ちょっと想像してみてください・・・

ここに花や植物に水をあげる１本のホースがあります。ホースの中を水が勢いよく流れています。そのホースを踏んでみます。すると、ホースの中を流れる水の量は少なくなりますますよね？　でも、すぐに植物は枯れたり弱ったりしません。しかし、徐々に元気がなくなり活力がなくなり病気にかかりやすくなります。そうなると、その植物は本来よりも早く枯れてしまいます。姿勢が乱れてしまうと、これと同じようなことがからだの中で起きてしまうのです。

姿勢が乱れると背骨から出てくる神経の出口（神経根）が狭くなり、場合によっては圧迫されてしまいます。この神経根へのほんの小さな圧でも神経機能の３０％を減少させると言われています。例えば、その神経が〇〇へ行くとしたら、その〇〇の機能はどうなることでしょうか⁇しかし、厄介なことにこのような状態になっても血液検査なんかしても何にもわかりません。でも、身体には深刻なダメージを与えられているんです。まだ痛みを感じていなくても、神経の損傷は始まっているんです。

姿勢が乱れる原因は？脳への影響も

姿勢が乱れる原因は、仕事を始めとする生活習慣や筋肉の衰えが大きな原因であると指摘されています。そして、姿勢の乱れは、精神的な部分にも影響を与えます。研究によると、パソコンの操作などにより頭の位置が３㎝前に傾いていると、脳への酸素と血液の量が２０％減少すると言われています。ですから、姿勢の乱れは腰痛や肩コリなどの肉体的なダメージはもちろん、気分やメンタルなど精神的な部分にもダメージを与えることが分かってきました。

姿勢と集中力の関係

毎年、受験シーズンになると、患者さま（受験生を持つ親御さん）にあるご相談を受けます。その相談とは、「うちの子、肩コリとか疲労で集中力が続かないんです。」このような悩みは、本人に話を聞き身体を診させてもらうと原因がはっきりすることが多いです。多くの場合は、身体に負担のかかる姿勢で長い時間を過ごしている。つまり、間違った姿勢で長時間勉強していることが多いです。

アメリカでこんな実験が行われました。10代の男女を２つのグループに分けて1つのグループは不良姿勢で、もう片方のグループは正しい姿勢で、同じ計算問題を解かせるというシンプルな実験です。結果は、正しい姿勢で問題を解いたグループが、不良姿勢のグループよりも約30％正解率が高かったそうです。これには続きがあって、（実験の詳細は忘れました。すいません。）20代・30代でも同様の実験を行なったそうです。そこでも同じ様に30％くらいの差があり、姿勢が集中力や生産性に影響を与えると結論づけていました。なぜ、姿勢によってそのような差が出るのか？その中で言われていたのは、不良姿勢により「頭＝脳への "血流低下" 」が起こり、集中力や作業の生産性が低下した為であると締めくくっていました。

良い姿勢になると・・・　　　　　　　

姿勢が良くなると、気分やメンタルが向上してエネルギーに満ち溢れ、呼吸機能や睡眠が改善し、心臓・肝臓・腎臓などの臓器の機能が改善し消化や体の動きや痛み、運動能力などのすべてに良い影響を与えると研究により分かっています。姿勢が、健康や幸福度などを決める重要な要因となるので、海外の研究者は、「あらゆる努力をして姿勢を改善する必要がある。」とさえ言及します。

じゃあ、良い姿勢ってどんな姿勢？

よく勘違いされるのがファッションモデルさんのようないわゆるカッコイイ姿勢です。カッコイイのと身体への負担が少ないのは違います。モデルさんは、高いヒールを履いて服を良く見せるために無理をしているのです。私たちの良い姿勢というのは、カッコイイ姿勢ではなく、身体への負担が少ない姿勢です。

横から見て上から、⑴耳の穴⑵肩の一番高いところ（肩峰：けんぽう）⑶股関節の横（大転子：だいてんし）⑷ひざ関節とお皿の間⑸外くるぶしの少し前、この５つの点を結んだ線が横から見て真っ直ぐになっていれば、前後のバランスが良く身体への負担が少ないと言われています。あなたの姿勢はいかがでしょうか？

禅の言葉に「調身・調息・調心」という言葉があるそうです。 姿勢を整えれば呼吸が整い、呼吸が整えば心が整うという意味があるそうです。「姿勢を正す」というのは、日本の古来より心と体に影響を与えるというのが経験的に理解されていたんですね。

まとめ

肩こりを放って置くということは、姿勢などの構造的な大きな問題も放置されていると理解して置く必要があります。氷山に例えると、肩こりは水面に浮かぶ見えている部分で、その下には大きな問題が隠れているかもしれということです。

人はゆっくりと時間を掛けて歪んでいきます。施術において、姿勢の変化が現れ始めるのは”３ヶ月目から” と言われています。人の体はすぐに変わらないようにできています。毎日の積み重ねがよい意味でも悪い意味でもお身体を変えて行くのです。

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そんな肩こりに悩んでいるけど、どこに行けば良いのかわからない。でしたら、当院にご相談ください。この記事を書いている私も実は、サラリーマン時代には吐き気をもよおすほどの極度の肩こりでした。今となっては、その本当の原因が何だったのかよく分かります。私自身が色々な整骨院や整体院やマッサージなどにかなり通った経験があります。だから、あなたのそのお悩みがよく理解できます。

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